エールフランス機、速度計が氷結?
エールフランス機の速度が遅すぎた原因として、速度計が氷結しており、誤った速度データを基に飛行していた、という可能性が出ている。
これは、パイロットの意図的な操作ではなく、機材故障である。前回の記事で書いた、「揺れ防止のために速度を減じた」という可能性とはまったく類が別のものだ。
自動車や鉄道、船は、別に速度計が故障したところで、すぐに危険に陥るわけではない。しかし、航空機は、速度こそが、様々なデータの中で最も重要な要素である。もし、速度を失えば、「浮いていられない」からだ。
つまり、航空機の速度計は、計器の中でも最も重要なもののひとつであり、飛行の生命線と言っていい。
その速度計だが、測定器は機体側面に取り付けられており、前方からの空気の流れ(時間当たりの空気の通過粒子数)を調べて、それを「速度」として表示している。だが、上空の気温は、マイナス50度にもなるので、ふつうは雲の中を飛行すると、水分が付着して氷結してしまう。だから、速度計はヒーターで常に凍らないように保たれているはずなのだ。
だが、今回はそれが氷結してダメになった可能性があるという。
速度計がダメになると、どうなるのか。もう墜落するしかないのだろうか。
速度計がダメになったとき予想されるコクピット内の様子は、内田幹樹氏の小説「操縦不能」に詳しく描写されている。まず、速度計が誤った速度を表示していると気づくのに、時間がかかるだろう。それまでに、適切な処置が行われなければ、それこそ操縦不能に陥ってしまう可能性が高くなる。
では、速度計の指針が間違っていることに、どうやって気づくのか?
素人の憶測だが、例えば次のようなことに気づければいい。
・対地速度(地面に対する速度)がだんだん遅くなっていることに気づく(対地速度は、ジャイロで測るソースが全く別のデータであるため、対気速度計が故障しても正しい値をとり続けると思われる)
・TCAS(航空機衝突防止装置)に写る周りの航空機の機影と比べて、自機の速度が落ちていることに気づく
・コンピュータが算出する各チェックポイントの通過予測時間が、だんだん遅くなっていくことに気づく
そして、故障に気づいたら、まずはシビアな速度のコントロールが求められる悪天候領域に入る前に引き返すべきだ。また、軍などに要請して、戦闘機などで随行してもらう、などの措置をとることになろう。(速度計が正しい他機に随行してもらえば、その機体を速度の基準に使えば良いから、失速の心配などはなくなり、ある程度は安心である)
また、高度を落として氷を溶かすのも一つの手である。現場はアマゾン沖だから、十分に高度を下げれば、大気温度が暖かくなって氷結がとれたであろうと思われる。
